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トランジスタ増幅器

1 の静特性をもつトランジスタを用いた、図2の 回路を考える。

図: トランジスタの静特性と負荷線
\includegraphics [width=7cm]{psfiles/tra_static.eps}
図: テスト回路
\includegraphics [width=8cm]{psfiles/tra_circuit.eps}

図 2において

$\displaystyle E_{\rm C}=V_{\rm CE}+R_{\rm C}I_{\rm C}$ (1)

が成立する。この関係を図 1に直線 AB で示した。この直線を交流負荷線とよ ぶ。

つぎに、 $ I_{\rm C}- I_{\rm B}$。および $ V_{\rm CE}-V_{\rm BE}$ の関係を求めると、 図 3、図 4を得る。これらのグラフより、増幅器の設計において重要な 量である電流増幅率 $ \displaystyle\left(\frac{\Delta I_{\rm C}}{\Delta I_{\rm B}}\right)_{\rm Q}$、 および電圧増幅率 $ \displaystyle\left(\frac{\Delta V_{\rm CE}}{\Delta V_{\rm BE}}\right)_{\rm Q}$ が得られる。$ E_{\rm C}$ = 一定の条件下で、式の変化分を求めると、

$\displaystyle \Delta V_{\rm CE}=-R_{\rm C}\Delta I_{\rm C}$ (2)

となる。

交流を増幅する際には、直線ABの領域で、 $ \Delta I_{\rm C}$ が正負の両方向にできる だけ大きく変化できるように工夫しなければならない。この条件は、無信号時 において、$ I_{\rm C}$ $ V_{\rm CE}$ との関係が、図 1 の AB の中点 Q にあるようにすれば満たされる。図 3 と 図 4を比較すると、 図 3 の方が直線性が良い。これは、トランジスタ増幅器が電流増幅器として 優れていることを示す。 動作点 Q を設定する回路をバイアス回路という。その回路を図 5に示す。

$ R_1$$ R_2$$ R_{\rm E}$ の値は、無信号時において、$ I_{\rm B}$$ I_{\rm C}$ $ V_{\rm CE}$ の関係が図 1 の Q 点になるように決められる。 しかし、図 5 の回路の $ I_{\rm C}-V_{\rm CE}$ 特性は、

図: $ I_{\rm C}$--$ I_{\rm B}$ 特性
\includegraphics [width=8cm]{psfiles/tra_Ic.eps}
図: $ V_{CE}$--$ V_{BE}$ 特性
\includegraphics [width=8cm]{psfiles/tra_Vce.eps}

図 1の直線 AB とはならず、Q 点を通る点線となる。 この点線は直流負荷線と呼ばれる。すなわち、$ C_{\rm E}$ を外した状態で 交流信号を入れると、$ R_{\rm E}$ のために 見かけ上 ( $ R_{\rm E}+R_{\rm C}$) が負荷となり、図 2の回路と 同等でなくなる。その上、$ R_{\rm E}$ の両端の電圧が高くなると、 $ V_{\rm BE}$ がその分低くなり、その結果 $ I_{\rm C}$ が減少 し、出力が下がる(このような効果を負帰還という)。そこで、$ C_{\rm E}$$ R_{\rm E}$ の両端に並列に加えて交流的に $ R_{\rm E}$ を短絡し、 交流に対する負帰還をなくすと、 $ E=E_{\rm C}+I_{\rm C}R_{\rm C}$ となり、図 2 の回路と同等になる。ここで $ E_{\rm C}$ はコレクタ 電圧である。



図: トランジスタ交流増幅器
\includegraphics [width=10cm]{psfiles/tra_amp.eps}


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takiz@chs.nihon-u.ac.jp 平成12年12月21日